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マジック・イン・ムーンライト


Jack English Ⓒ2014 Gravier Productions, Inc.

Magic In The Moonlight(2014)

監督&脚本:ウディ・アレン

アメリカ/イギリス

出演:コリン・ファース、エマ・ストーン

ウディ・アレンは1935年生まれ。

今年80歳になるのだが、年一本の割合で監督と脚本をこなし映画を作り続けている。

衰えない創造意欲に脱帽である。

しかも4年前の『ミッドナイト・イン・パリ』ではアカデミー賞最優秀脚本賞を受賞するなど、作品のクオリティも保障されている。

これほど、話題作を撮り続ける監督は稀で、さしずめ日本の漫画界でいえば手塚治虫氏に相当するであろうか?

一体どこからこれほどのパワーが生まれてくるのか知りたいものだ。

筆者は20代の頃、ウディ・アレンの作品が面白いと思わなかった。

理由は言葉が多く、画面の中で何が展開しているのか、全く追いつけなかったからだ。

それが、ひょんなことから彼の映画に引き込まれていく。

きっかけとなった作品は『マンハンタン』(1979年)で、この作品は彼自身が主人公としても登場する。

公開時に映画館で見たときは、上記のように置いてきぼりとなるのだが、たまたまビデオ(VHS!)で何回も観る機会が訪れた時のこと、ようやく内容を理解してからは、彼が繰り出すセリフの妙に魅入られていった。

内容が理解できると、言葉、表情、仕草、そしてカットワーク一つ一つの意味が、憎らしいほどに筆者の脳内を駆け巡り始めたのであった。

今回の作品は、天才マジシャン(コリン・ファース)のもとを訪れた友人のある依頼から始まる。

その依頼とは、知り合いの資産家が怪しげな霊能者に没頭し資産を取り上げられそうなので、その霊能者がいかさまであることを暴いて欲しいというものだった。

天才マジシャンは友人に導かれるままにその資産家のところへ赴くのだが、そこで出会った霊能者は若くて美しい女性(エマ・ストーン)だった。

果たして、マジシャンは霊能者のインチキを見抜くことができるのか?

それとも巻き込まれるのか?

はたまた本当に霊視できる女性なのか?

霊能や超能力は心理学の分野でほとんど研究されていない。

ただ、気にならないわけではないし、完全に否定されているわけでもない。

学術的なものとは考えられてはいないが超心理学という分野がある。

サイコキネシス、テレパシー、透視などが研究対象で、知覚や認知を扱う心理学者の中には、これらに興味を持ち実際に研究している者もいる(ただ、論文にはなりにくいorならない)。

そんな「よく分からない」霊能を背景にして紡ぎだされる駆け引きに、筆者の脳はまたしても巻き込まれていく。

これこそがウディ・アレンの持つ超能力なのかもしれない。

Jack English Ⓒ2014 Gravier Productions, Inc.

公式サイト:http://www.magicinmoonlight.jp/

配給:ロングライド

4月11日(土)より、ミッドランドスクエアシネマ他にて全国公開!


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